データ管理のリーダーであるDenodoは、6月にリリースされたDenodo Platform 9に新しいAI機能とツールを追加したDenodo Platform 9.1のリリースを発表しました。Denodo Platform 9は、AI対応の自然言語クエリのサポートと検索拡張生成(RAG:Retrieval-augmented generation)のサポートにより、データ管理にインテリジェントなデータ配信をもたらし、組織は生成AI(GenAI)アプリケーションから信頼できるインサイトに満ちた結果を得ることができます。
Denodo Platform 9.1は、これらの機能をさらに強化し、AI搭載のDenodo Assistantを追加しました。これにより、Denodo Platformの豊富なセマンティックレイヤーを活用してデータエンジニアリングタスクを自動化し、データアナリストやその他のビジネスユーザーにコンテキストに基づいたインサイトとインテリジェントな推奨の提供が可能となります。
Denodo Assistant: 主な機能
- クエリウィザードの推奨: Denodo Platform 9 の自然言語クエリのサポートをもとに、クエリ作成の手順をガイドし、あらゆるスキルレベルのユーザーが正確なクエリを簡単に生成できるようにします。
- インテリジェントなクエリ自動補完: クエリを記述中のユーザーに、コンテキストに応じた提案を行い、効率的なクエリ作成をサポートします。
- データ準備ウィザード: データチームが常に関与する必要なく、データ製品をさまざまなユースケースに合わせて迅速に適応させることができます。
- ビューとカラムの説明の提案: ビューとカラムのビジネス上意味のある説明を自動的に生成し、データ資産の作成と理解を容易にします。
- テキストベースの非構造化データの強化:テキストを自動的に要約して分類し、データエンティティを識別して抽出し、感情分析、機密データの識別と編集、LLM(大規模言語モデル)を使用したテキスト翻訳をすべて1つの関数呼び出しで実行できます。
「Denodo Platform 9.1は、Festoにとって、特にデータ環境内で生成AIの可能性を活用する取り組みにおいて、大きな変革をもたらしました」と、Festoのビッグデータおよび AI 担当データ エンジニアである Lukas Reinauer 氏は述べています。 「Denodoの柔軟かつ高度なデータ統合機能により、構造化データと非構造化データをシームレスに統合し、FestoGPTやSkillgroundといった主要な生成AIプロジェクトを加速することができました。このプラットフォームの強力なメタデータ主導のアプローチにより、複雑なデータの課題を克服できるようになり、従業員がより直観的かつ効率的にデータにアクセスして分析できるようになりました。Denodo Platform 9.1のリリースは、Denodoとの継続的なコラボレーションの中でのエキサイティングなマイルストーンであり、イノベーションを推進し、組織全体で有意義なインサイトを提供する能力を強化しています。」
Denodo Platform 9.1には、特に検索拡張生成(RAG:Retrieval Augmented Generation)の実装を支援する、新しいDenodo AI SDK も含まれています。このオープンソースのツールキットは、AI駆動のアプリケーションやエージェントの開発を加速し、構造化データと非構造化データの両方を生成AIモデルに簡単に統合できるようにし、より高い精度とパフォーマンスの向上を実現します。
Denodo AI SDK の内容:
- 事前に構築されたAPIと再利用可能なコンポーネント:複数のデータソースからLLMにリアルタイムで管理されたデータを提供するプロセスを簡素化しま。
- RESTful データAPI: RAGベースのAIエージェントの開発専用に設計されたAPIで、下位レベルのデータAPIやオーケストレーションロジックを抽象化し、組み込みアプリケーションAPIやベクトルデータベースとの統合を容易にします。
- セッションレベルのセキュリティ: RAGベースのAIエージェントがデータのプライバシーとセキュリティの要件に準拠できるようにします。
- 柔軟な統合オプション: 開発者が AIソリューションを特定の環境にパッケージ化して提供できるようにし、開発ライフサイクルと本番環境への展開を迅速化します。
- サンプルのRAGアプリケーションとクイックスタートチュートリアル: AI開発者がDenodoでRAGベースの開発を迅速に開始できるようにサポートます。
「多くの組織がAIから期待されるビジネス価値を得るのが難しいと感じていますが、Denodoは、RAGのサポートに続き、AI SDKを提供することで、この課題に取り組んでいます。」とDenodoの最高技術責任者であるAlberto Panは述べています。「AIアプリケーションの開発を加速するAI SDKは、オープンソースとして提供されています。これにより多くの開発者が未来のAIアプリケーションを構築するための競争に参加できるようになります。」
Denodo Platform 9.1 では AI 機能強化に加え、データレイクハウスやその他の最新のデータプラットフォームの機能向上など、Denodo Platform のコア機能も強化されています。
主な内容:
- 高度な Iceberg サポート: Denodo Platform 9.1 では、イントロスペクション機能とタイムトラベル機能が強化されており、技術者以外のユーザーでも Iceberg ベースのテーブルを簡単に管理およびクエリできるため、大規模なデータセットを柔軟に操作できます。
- Microsoft Fabric および OneLake のサポート強化: Delta テーブル形式の新しいサポートと Microsoft Fabric Data Warehouse への接続の強化により、クラウド環境全体でのデータ統合が効率化されます。
- Arrow Flight SQLのサポート:高性能データ転送を目的としたArrow Flight SQLは、クラウドデータウェアハウスやレイクハウスでのクエリパフォーマンスを加速 し、速度と効率を向上させます。
Denodo AI SDK は、Apache ライセンスの下で無料で配布されており、現在 Denodo のお客様に提供されております。近日中に Github にも公開され、利用可能になる予定です。また、Denodo Express(Denodo Platformの無償ダウンロード版)にもパッケージ化される予定です。
「Denodoの生成AI機能は、自然言語を使用して誰でもデータにアクセスし、対話できるようにする画期的なイノベーションです」と、Perkins Coieのデータ運用およびソフトウェアエンジニアリングディレクターであるMark Thorogood 氏述べています。「データベース名やクエリ言語の詳細など、技術的な知識が不要になることで、摩擦や障壁を取り除きます。Denodoの生成AI機能は、データへのアクセスを簡素化し、その価値を最大化し、データの民主化を促進することができます。」
追加情報:
・Denodo Platform 9.1 (ウェブページ)
・ブログ: Welcome to the Era of the Denodo Assistant(Denodo Assistantの時代へようこそ, 英語)